
どうやって付き合うといいのかな・・・
・ストレスとの上手な付き合い方
・精神科看護歴7年
・精神看護専門看護師取得
・精神看護の大学院修了
・現在、精神科訪問看護師
・カウンセラーとしても活動
精神科看護師のストレスの9つの原因とは-看護師側-

これが一番強いストレスです。
精神科看護師のストレスは患者からの「暴言・暴力」です。
そして、それに伴う「無力感」があります。
理由としては、以下のようなことがあるからです。
・妄想を持たれるリスク
・ものを投げたりの迷惑行為
・スキルアップを実感しにくい
・勉強の仕方がわからない
・看護の正解がないこと
・退院の目途が見えないこと
患者からの暴言・暴力のリスク
精神科看護師なら一度は体験している。
患者から暴力や暴言の被害を受けた精神科看護師さんの研究、PTSDになる要因としては、がんや大地震、地下鉄サリン事件などの心的外傷後に匹敵するレベルと聞いて…地獄過ぎる…
— 走れメロウ (@Noisy_mmm) April 18, 2021
精神科看護師ですが、暴力だけでなく暴言も日常茶飯事です
スタッフは「仕事だから」「義務だから」たとえそういった患者が死にかけても手を尽くしますコロナの感染リスクも高いですし、
看護・介護の現場の実情はもっと広く知れ渡って欲しいと思います— どどりご (@dodorigo) January 1, 2021
精神科は患者さんから言葉の暴力を受けること多いけど、看護師にも人権があり、暴力を受けてまで看護しなくていいと思う。でも患者さんにとっては、暴力が唯一のコミュニケーションだったりするから、そこからスタートせざるを得ない難しさがある。精神科で働くには、ある意味の覚悟がいると常々思う。
— Takayuki Yamashita (@sw8LMjvCktA3AgE) August 4, 2019
「暴言・暴力」を受けるのは、精神科ならではのストレスかもしれません。
暴言・暴力が生まれる理由はいくつかあります。
・危険行為があり強制的に入院させられ納得できない
・言葉で気持ちを伝えることが苦手で思わず手が出てしまう
患者から妄想を持たれるリスク
「被害妄想」「恋愛妄想」これらも、精神科特有のストレスですね。
私の体験を以下にまとめました。
・他の患者さんと同じ言葉を使わなかったことで、被害妄想をもたれて悪口を言われ続けた
患者からの迷惑行為
これも精神科ならでは。
具体的にはこんな感じ。
・夜中に叫び続ける
・他の患者さんのものを盗る
・患者さんにいきなりつかみかかる
スキルアップを実感しにくい
「精神科の看護技術が上がったなぁ」と実感することって正直ないです。
どうしてかというと、「精神科看護に正解がない」からです。
・丁寧なケアを継続し傷が治ってきた
勉強の仕方がわからない
新卒で精神科救急に就職し4年働きましたが、
4年経っても勉強の仕方が全くわかりませんでした。
なんでかって言うと、
「本を読んでもわからない」からです。
先ほども書きましたが、精神科看護に正解はありません。
つまり、正しい看護のマニュアルがないんですよね。
なので、本を読んでも具体的な技術はかかれていないので、
実践しても合っているかどうかがわからないんですよね。
例えば、「傾聴」。
傾聴って言葉では簡単ですけど、具体的にどうやるの?って話ですよね。
それが果たして正しくできてるかどうかもわからない。
これがけっこうストレスになるんですよね。
>> 【精神看護の勉強ポイント】精神科看護歴7年が教えるおすすめ書籍7選!
看護の正解がないこと
先ほど述べましたが、「正解がない」、はかなりストレス。
精神科の看護は他科と比べて,絶対的な正解が少ない気がする。
だから看護師の個性が看護にあらわれやすいんじゃないかな。
それもまた面白いところ。— キュー(^ ^)! (@peacenooooon) May 19, 2015
Nsも一人の人間であり、特に精神科看護には正解がない。そのためNs個人の裁量が大きい。よってチームで常に方向性だけは統一し、関わり方は各々に任せる方が良い。また関わりをしていく中で利用者に合う方法が見つかれば共有していき、より良い看護になるよう追求していく。
— 精神科看護師のつぶやき@一側性難聴 (@seishinkaNs) December 11, 2018
精神科って数値では表れないものを治療し看護する。これ、もちろん治療のプロセスはあれど、患者さんの表情や動作、発言から「いまはどんな状態か」読み解くとても難しいもの。看護は本当に正解がない。今日も難しいなって思いながら仕事してました。
— mizuki@おぬ 11年目精神科看護師 (@c_mikzuki) January 20, 2021
正解かどうかわからない、ということは何をどう改善すると良いのかもわからない。
どう勉強してスキルアップしていくと良いのかもわからなくなる。
正解がない中で、より良い看護とはなにか、を追及してくことが求められます。
ストレスではあるけれど、精神科看護のおもしろい部分でもありますね。
退院のめどが見えない
日本の精神科は1年以上の長期入院が国際的にみても問題になっています。
厚生労働省は、統合失調症などで精神科に長期入院する患者を2020年度末までに全国で最大3万9千人減らす目標を決めた。日本の精神科入院患者数は国際的にも高水準で、1年以上の長期入院は14年現在、18万5千人に上る。
引用:日経経済新聞 2017年
私の勤めていた病院でも、10年以上入院している患者さんが多くいましたし、
4,5年入院している人なんてざらにいました。
なぜ、こんなにも入院が長期化しているのか。
・地域も退院に難色を示す
・受け入れ先の施設がない
そのため、病院が家となり何のために入院しているのか、
退院のめどが全く見えないことが多々あります。
看護の無力感があること
精神科看護師なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
暴言や暴力を受けた時、
長期で関わっていても変化がない時、
「どうしたらいいんだろう」と看護師としての存在に無力感を抱きます。
勉強をしてもわかりやすいマニュアルがあるわけでもない。
看護をしても、わかりやすい回復は目に見えない。
そんなとき、どうしようもない無力感に襲われます。
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精神科看護師のストレスの原因とは-病院側-
精神科は看護師の人数が少ない
精神科はそもそも人員配置基準は一般科より少ないのです。
看護師の人員配置基準。
一般科は7:1、精神科は13:1となっており、
精神科の看護師の配置は一般科より少ない現状があります。参考:精神保健医療福祉の現状
これは、精神保健福祉法により定められています。
病院で働くってただでさえ忙しい。
それなのに、精神科は看護師の配置基準が少なく定められているので、めちゃくちゃ大変。
看護師が少ないことは業務量が多くなり忙しくなるので大きなストレスとなります。
設備が整っていない
精神科は今でも紙カルテを使っている病院が多いです。
病院としての最低限の設備は整ってはいますが、
古い建物も多いのが現状。
私は運よく建て替えたばかりの新しい病院で働いていましたが、
古い病院に見学に行ったときはその差を感じましたね。
どうせ働くなら電子カルテで快適な環境で働きたいですよね。
ストレスとの上手な付き合い方
尊敬できる先輩に相談する
まずは相談しましょう。
ここでポイントなのが「尊敬できる先輩」です。
相談する相手を間違えると、かえってストレスになったり傷つくだけなので、
自分は信頼し尊敬できる人に相談はしましょう。
暴言を受けたらその場で感情を伝える
精神科では暴言を受けることは必ずあります。
正直、イライラするし傷つきます。
その感情はごく自然なものなので、自分を責めずため込まず、すぐに吐き出すことが大切。
可能であれば、
「あなたに~と言われて傷つきました」と患者さんに伝えましょう。
そうすると、患者さんもふと我に返ったりすることがあります。
自分の感情は抑え込まず、きちんと伝える、これが大事です。
もやもやした気持ちはすぐに吐き出す
精神科では患者さんの辛い話や壮絶な過去の体験の話を聴くことが多いです。
話を聴く中で自分自身も辛くなったり辛い気持ちになることがあります。
何かこころがもやもやしたとき。
それは誰かに話を聴いてもらうなどして、ため込まない方が良いです。
こころのもやもやは放っておくと大きなストレスになりますし、
いつの間にかメンタルが落ちる原因になります。
自分を責めない
正しい知識を身に着ける
過度に自分を責めるのではなく、正しい振り返りをするためにも、
「正しい知識」を身に着けるのが大事。
疾患の特性や症状、薬の作用副作用などなど。
なぜなら、正しい知識がなければ闇雲に自分や患者さんを否定することに繋がり、
それがストレスとなるからです。
正しい知識があれば、「あの時のこれが原因だったんだな」と振り返りしやすくなります。
>> 【精神看護の勉強ポイント】精神科看護歴7年が教えるおすすめ書籍7選!
最後に
精神科看護師は暴言や暴力、無力感などさまざまなストレスがあります。
・患者からの迷惑行為
・妄想を持たれるリスク
・退院のめどが見えないこと
・勉強の仕方がわからないこと
・スキルアップがしにくいこと
・看護の正解がないこと
・看護師の人数が少ないこと
・設備が整っていないこと

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勉強の仕方が知りたい人は下記を参考に。
>> 【精神看護の勉強ポイント】精神科看護歴7年が教えるおすすめ書籍7選!
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